楓side
放課後。
結局千里は来なかった。
なんだったんだろ?千里…
来たいなら来ればよかったのに。
そんな私は佐野くんと二人でクレープ屋への道を歩いていた。
佐野くんといるとなぜか落ち着いた。
「佐倉は甘党?」
「うん!甘党~」
他愛もない会話をしていた。
同じ高校の制服を着た女子たちが振り返る。
…ああそっか。
佐野くんが女子と歩いてるんだもんね。
学年一の王子様が。
なぜか佐野くんに申し訳なく思いながら歩いていた。
するといきなり佐野くんが私を見た。
「明日は…雄大んち?」
「え?…うん。
行こうかなーと思ってる」
「ふーん…」
「昔からだよ。ずーっと」
私が言うと佐野くんは私の顔を覗き込んで言った。
「二人きりで?」
「え、うん」
私が答えると佐野くんは少し嬉しそうに笑った。
「ほらついたよ」


