雄大side
教室に戻った俺は考えていた。
楓のためなら俺の気持ちは殺していいと思ってた。
あいつのためなら、と。
だけど本当は小さいときからずっと…
気持ちを殺すことも我慢できないくらいもう俺は、
俺は楓、お前を、
「雄大くん?」
俺を呼ぶ声に、はっ、と我に返る。
目の前にはクラスメイトの山口杏里がいた。
そういや、学習旅行のとき同じ班だった気がする。
そんなことも覚えてないくらいコイツには興味なかった。
男に関しての悪い噂も知っているしな。
なのに。
「雄大く~ん?
ねぇ、聞いてる?」
媚を売ってるのが丸見えだ。
俺はじゃんけんで負けて実行委員になった。
それをコイツが追いかけてきた。
そして一緒にやるハメに…。
山口の言葉を無視する。


