俺がベンチからたとうとしたそのとき
「龍輝」
「…陽介…」
「何してんだ?」
「葵と…いた」
葵、という言葉を出すと陽介の顔は曇る。
「お前こそ…何してんの?」
俺が聞くと
「母さんに郵便局へ頼まれごとされた帰り。
どうせ…暇だろ?」
陽介は俺の隣に腰をおろした。
「お前…葵といて楽しい?」
直球な質問だな。
「楽しい…っていうか…
アイツには俺がいないとダメなんだ。
かわいそうな人だから」
…………。
陽介は俺を睨んでいた。
「そんなのただの同情だって気づいてるんだろ?」
「お前には関係ない」
ついそんなことを言ってしまった。
どうしよう。
そんなこと思ってない。
「………………関係ある」
俺は顔をあげ陽介を見た。
陽介はただただ前を見ていた。
「気づいてないなら教えてやる」
「え?」


