君と私の変な距離(仮)

好きな人がいるって聞いたのも初めて。



だからあんな照れた顔を見たのも初めてだったんだ。



「思いだしたかい?俺、好きな人なんかいなかったこと」



控えめに頷くと、



「そんなのも気づかねぇくらい余裕がなかったんだよ、お前は」



図星だ…だから何も言い返せない。



「認めろよ…。好きになったもんから逃げてたっていいことねぇよ」


「…………………あぁ、だな………」