「あ、わかった。失礼しました」



新井君はお母さんに一礼して、リビングをでた。



本当に不良なのか…?



新井君、バリバリ礼儀正しいじゃん。



部屋に入ると、新井君は私の右隣に座った。



え……………?



「榎本?」


「…ぁ、なに?」


「早く」



あ、手当てしなきゃだよね。



……偶然だよね、新井君が私の聞こえる方の耳側に座ったのは――。