side 渓人






泣きたくなった。



親父が険しい顔で、家に入ってきたとき…胸騒ぎがした。



キッチンでミネラルウォータを飲んでいた俺は親父に呼ばれ、リビングに行った。



「なんだよ?」



つーか、キッチンにいても俺と話できんじゃん。



繋がってんだし。



だが親父は、俺の言葉を無視し、自分の真向かいにあるソファに座れと言った。



別に立ってたって話できんじゃん。