君と私の変な距離(仮)

お腹に回る細い腕を見て、確信した。



なんで…抱きしめてんだよ。



俺のこと嫌いじゃ…



「うっ…わぁ…――好きだよー…私だって好きだっ…よ」



……それこそ嘘だろ…



俺のこと嫌いじゃ…ない?



え…だって…泣いてんじゃん…



「なんでっ…なにも言わないの?やっぱり嘘なの?」



私だって好きだよ



本当なんだな?



体を回転させ、榎本を再び抱きしめた。