君と私の変な距離(仮)

「大嫌い。無視されたのなんだのって悪口言うヤツら大嫌い」



俺の目を見てはっきりと言った。



「…………秋華はね、左耳が聞こえないのよ」



短く簡潔に言った伊藤。



でも理解できる言葉だった。



そう言われたのが1週間前の今、放課後の時間だった。



この屋上でなぜかばったり伊藤に会った。



「新井って秋華のこと嫌いなんだ?」



そう不意打ちに言われた言葉がこの会話の始まりだった。