「んー、なんもないよ」



―――大きい。



「そか」


「私行くね?」



鞄を教室に置いたまま、職員室に向かった。



早いな…本当に。



海外留学を考えてみないかと言われた日から一週間。



この一週間、勉強もいろいろな話も身に入らなかった。



それだけ私には、大きな大きな決心が必要だったね。



「榎本…聞かせて欲しい」



職員室に入り、



「先生。私―――――…」