君と私の変な距離(仮)

「ごめんな実鈴。ありがとう」



素直に礼を言い、頭を下げた。



「やっぱり…ずるよっ渓人君は」


「え…」



どうしたんだよ?



と聞こうと思ったが、もう教室に実鈴はいなかった。



「お前って…優しさも時には人を傷つける」



はぁ?何言ってんだ?



…え!?俺実鈴んとこ傷つけたのか!?



―――最初から最後まで最低なヤツだな俺は。



そう苦笑いを浮かべ、空を見上げた。