君と私の変な距離(仮)

「お前…まだいたのか?」



この声は…振り向かなくてもわかった。



「親父…どうしたんだよ?」



ただ目の前にある黒板をボーッと見つめながら聞いた。



「校内散歩?みたいな、」


「そっか」



校内散歩とかだせぇことしてんな。



笑えると思ったけど。



口はひらかなかった。



「早く帰れよ?」


「あぁ」



返事はしたものの、体を硬直したように動かなかった。