このままじゃダメだと、



さらに花菜ちゃんに気を使わせてしまうて思った私は素直に帰ることにした。



でも…花菜ちゃんと街中を歩いて帰ってる途中…



「…ねぇ聞いてる渓人」


「当たり前だろ」



そう言って優しく彼女の頭を撫でる新井君を見た。



耳が聞こえない私でも聞こえた会話。



低くて優しい声。



私が聞いたことがない…声。



あぁ、その子なんだ…