「あんな奴のどこがいいわけ?」

凄く不思議そうな顔をされた。

「あんたが好きになる奴ってもっとしっかりした奴かと思ってたんだけど」

「僕も貴女の彼氏がわんこ系とは思いませんでしたね」

脳裏に浮かぶのは凜ちゃんの彼氏くん。
ですがわんこ系の容姿とは裏腹に長身でした。

「正人はあれでいいの!」

ちゃっかり溺愛しちゃってる凜ちゃん。
うん、可愛らしい。

「てか私の話じゃないわよ、あんたの話」

はぐらかしは失敗に終わったようです。

「……僕も不思議なのですよ。何故彼が好きなのか」

「……」

しんみりしてきたので、凜ちゃんにちょっかいを出しておく。

「(怒)」

困ったような顔から激変。
般若の形相です。

「命だけはご勘弁をー(棒読み)」

「心配して損したわ」

そうこうしている間にチャイムが……

「じゃ、後でね」

「はい、また後程」