「…そんな事ないでしょ。 ダメだよ」 「ふふ、杏奈やさっしーのな」 「優しいとかじゃないよ」 「優しいって」 「優しくない」 「いーや、優しい」 「あたしは自分勝手なの!」 「それでも結構。俺も自分勝手だし」 「知ってる」 「だろ?お互い様。それに、俺の事そんな気にする必要ないよ」 「…どういう…」 だらんと、体を背もたれに預ける緋人はあたしの方を見ずにそう言った。 それに、途切れ途切れに言葉を返す。 「そのまんまの意味」 緋人はあたしに視線を交えると、緩々と口角を上げる。