「藤田は?なにか用があったの?」
「私?私は……」
言うか、言わないかを少しだけ悩んで変な間をつくってしまった。
まばたきを数回繰り返したあと、意を決して、清瀬くんの大きな目を真っ直ぐに見た。
「私は、先輩と、話してた……」
「修二先輩と?」
「うん……。この前ね、清瀬くんに言われた通りに本音をぶつけたんだ。そしたら今日先輩が会いに来てくれて……それで……」
なぜだかわからないけれど、声が微かに震えた。
手にも、チカラが入ってる。
……すごく迷ったけど。
「別れた、よ」
話すことにした。
清瀬くんには、相談に乗ってもらったから。
「え!?ま、まじで!?」
驚いた感じの清瀬くんに頷いて見せた。