私は近所の商店街に差し掛かった。 土曜日の昼なのに、誰一人として外にいない。 シャッターもほとんど降ろされたままで、寒さが一層伝わってくる。 帰りたくない私は唯一明かりの着いている喫茶店を見つけ、扉を開く。カラン、と乾いた音を立てて鐘が鳴った。 やはり、客はいなかった。 それどころか、店の人もいない。 「誰かいませんか?」 奥をを覗いても、誰もいない。 帰ろう、と身を返した時に、後ろから声がした。 「人なら…ここにいるけど?」