自己紹介が終わり、先生が

「そうだなー。
ひとまず、空いている席..よし‼
広森の隣だ‼」

「「えっ‼」」

私と翔太の声が重なった。
こっちを向いた翔太。
驚いている。
でも、笑ってくれた。
私も、
最高の笑顔で、笑い返した。
翔太、私、ちゃんと笑えてる?

その後は、なんだか気まずくて、一言も喋らなかった。

昼休み。

「姫乃‼」

「えっ?どうした、千夏。」

「しょう..山中くんのことなんだけど..」

「あー..うち、興味ないんだけど..?
あーいうやつ、嫌いだし..」

知ってます、えぇ。知ってますとも。
姫乃が翔太みたいな、女子から騒がれる男子が嫌いなことは..。
って、そんな場合じゃ..‼

「私の、前の学校で付き合ってて、私が..酷いことした彼氏いたでしょ?」

「あぁ。あんたが引きずってる..
って..ええっ?!
そういえば、あいつ山中..“翔太”よね?」

「うん。そうなの..
どうしよう~~~..‼」

なんか、顔が、赤くなった気がした。

「しっ、知らないわよ‼さっさと帰るわよ。」

「姫乃ぉおおお~~~..‼」

私達は気づかなかった、私たちの様子を、翔太が、
見ていたことに―――――――――――。