魔法の国の少女


「シャリア!」

「シャリア!」

…皆が、私のことを読んでる。

ゆっくりと目を開けると、そのには皆がいた。

もうすっかり丈夫なアルマ、元気になったパラリン、微笑むセイラさん。

この皆を、私は守ることができたんだ。

セイラさんにも助けてもらったけど、でも、嬉しかった。

そこには他にも、アルマの隣にいるクリスタや、私の隣の椅子に座っていたキュリもいた。

「元気そうで良かった。」

パラリンが微笑む。

「こちらこそ。」

どうやらここは病院のようだ。


…物語は終わった。

私もそろそろ人間界に戻ってしまうはず

「皆。…今まで、ありがとう。」

私は、これが最期だと思って、皆に精一杯のお礼を言った。

「ど、どうしたんだ?急に。」

もちろん、皆は驚く。

それでも、ありがとう、とだけ言っておいた。

それ以外の事を言ったら、泣きそうになってしまう。

私は体を起こした。

でも、まだやり残していることがあるんだ。

この世界が終わってしまう前に、急がないと。

私はトイレに行くと行って、病室を出ることにした。

これが、最期とも知らず、皆は明るく送りだしてくれた。

最期に、ドアを閉める前、皆の顔を、良く見ておいた。


そして私は、とにかく走った。

その人がいるであろう場所まで。

そして、一つの部屋にたどり着く。

私のその部屋のドアを、ノックもせずに、思いっきり開けた。

「…ガラガラ!」

すると、そこには、私が今一番必要としている人がいた。

「ど、どうしたんですか。シャリアさん。」

その人は、私の顔を見るなり目を大きくした。

「…シャドウさん。」

私はその人の名前をゆっくり呼ぶ。