境界性人格障害のおもな特徴

見捨てられ不安

境界例の方の多くが、愛する人や大事な人に見捨てられるという不安を絶えず抱えています。
人間は誰でも多かれ、少なかれ、愛する人や大事な人に見捨てられるという不安を抱いていますが、
境界例の方の場合は、見捨てられ不安の感情が、非常に強く、
周囲の人には、理解できないほどです。

J・F・マスターソン博士によると、この見捨てられ不安は、
ハイハイを はじめたばかりの赤ちゃんが、母親を探し求め、
泣き叫んでも母親を見つけることができない場合に起こる、
さみしさ(孤独感)や、不安感、怒りの感情のように、心の奥深くから、
わきあがってくるものであるといいます。

このような状態におかれた赤ちゃんが必死に泣き叫ぶ姿を想像して下さい。

境界例の方の見捨てられ不安は、この泣き叫ぶ赤ちゃんと同じような 状態にあるのです。
常にあるさみしさや、怒り。 むなしさや絶望感からくる落ち込んだ気持ち。
一人という孤立感やどうでもいいという自暴自棄の感情などは、
この見捨てられ不安が、原因です。