悲劇の姫〜海賊になった少女〜



「……人殺し。」


たくさんの血がついた自分の手を見つめ呟いた。


兵士たちがやっと出てきたところで、お城を出ようとすると、


「お待ちください!」


カーミラさまとバーナードさまの声が聞こえ、思わず振り返る。


「名前を教えてもらえませんか…?」


微妙な間のあと、カーミラさまではなくバーナードさまが言った。


コーデリア………言いかけてやめる。


「ただの海賊です。」