悲劇の姫〜海賊になった少女〜



「ん!?ワイアット、泣いてんのか?」


「…泣くわけねえだろ」


「そうか、男に趣味はないけど、お前だったら抱きついてくれてもいいぞ!」


「ありがとう…」



シュガーの声が地下室の階段で響いた


「お前…男じゃねえだろ」



その声は、いつも聞いていた声よりも、ずっとずっと低くて、悲しそうな声だった。




「…何言ってんだよ。」


「男じゃねえんだろ……?」


怒りを含む声に変わっていく。



「なあ、正直に言ってくれよ……」


シュガーは、泣いていた。



「ううん、残念だな。男。」


こんな時でさえ、素直になっちゃいけない