それでも黙っている私を見て、いきなり手を引かれ、外にでた。 「何が食いたいんだ?」 「ローストビーフ」 アルジオンにいたときの大好物。 「そうか。少し待ってろ。」 走っていくルイの後ろ姿を見て、高鳴る胸を抑えた。 ───好きになっちゃいけないんだよ いつかお城で見た絵本のワンフレーズを思い出した。 「そうだ、好きになっちゃいけない」