「…もう、戻れないのよね」


姿見にうつる私はどこからどうみても男だった。


アルジオンの姫だなんて、誰にも分かりはしないわ。


ズボンについている小さなポケットに
入っていたのは、小さな紙切れだった。


「舞踏会の夜、あれはバウスフィールドの仕組んだ巧妙な罠だ…?」


手紙にはそれだけ書かれていた。


その時、船が大きく揺れ私は転倒し頭を強く打った。