「さあ、姫…手を」 勝ち誇ったかのような笑みを浮かべているユリジュスに断る術もなく手を出した。 「あなたは何がしたいの?」 「そんな怖い顔しないで、楽しみましょうよ」 悔しいけど、ユリジュスのダンスは完璧で、いつの間にか皆ダンスをやめてわたし達を囲むようにして見ていた。 「…みんな見てるわ?」 「私だけを見ていてください」 彼の自信満々さに少し引きながらも音楽が終わるまで踊り続けた。