「っ、危なかった……」



安堵するような先輩の声に目を開けると先輩が腕を引っ張ってくれたみたいでおかげで助かった。



さっきの子供たちはもう姿は見えなかった。きっともう走り過ぎていったんだろう。



ヘナヘナと地面に座り込む。



「怖かった……っ…」



車にひかれるかと思った。死ぬかと思った。

でも助かった。助けてくれた。



安心したのか怖かったのかポロポロ出てくる涙。



「怖かったよぉ……っ!」



「よしよし。もう泣くなって。」



泣きじゃくる私を先輩は子供をあやすように優しく笑う。