「もってあげようって、おまえがもともと買いに来たんだろ。」
「じゃあ返してくださいよっ。」
「ヤダね。おまえみたいなドジ子ちゃんに持たせられない。」
「ドジ子ちゃんじゃないですっ!」
なんだ、安心した。前みたいには戻れないって思ってたから。
私が意識しすぎてたんだ。普通に接しれば先輩も普通に接してくれる。
今日それがわかった。
「え?違うの?
美術室の椅子につまづいて転んだのは誰だっけ?
赤い絵の具を床に落として、床が真っ赤にしたのは誰だっけ?
そしてそれを見て、雑巾で拭こうとしてまたこけて制服に着いたのは誰だっけ?」
次々と先輩の口から出る私の黒歴史。