夜、両親が喧嘩をしている声で目が覚めた私は起き上がり、少しだけ空いていたドアの隙間から両親の喧嘩をいつも覗いていた。



内容は私のこと。



私が世間から変な目で見られてたり、変な行動をとってるから。



そして、ママ友にも話の話題にはやし立てられお母さんはどんどん浮いた存在となっていく。



お父さんにもその影響は届く筈で。



両親は、お前が悪いんだと、貴方の教育のせいだとか。



口喧嘩を何回か重ねるうちに二人は離婚を決定する。


だが、今度は私を引き取るのはどっちかで揉める。




両親とも私を引き取ろうとはしなかった。


それが余りにも悲しすぎて自分はいらない存在なんだと自分の部屋で泣き崩れながら何回思っただろう。



そして、私は私自身を憎んだ


こうなったのは全部この能力のせいなんだと。 ・ ・




こんな能力がなければ家族も崩れることなんてなかった。



この能力が私の家族も友達も信頼性も自分自身も全て壊したんだと。




こんな能力があるぐらいなら死んだ方がましだと……、




でもそれと同時に両親に対する苛立ちも少しはあったんだろう。





結局私は叔母に引き取られる事になり両親は安堵のため息を漏らしてるようだった。




「良かったわね引き取ってくれる人がいて……!」



ニコっと笑うお母さんは目の奥が笑っていない。


そんな気持ち悪い笑顔を向けないでほしい。


「お、お母さんも引き取りたくないって思ってる訳じゃないのよ……?でも…お、お母さんも仕事とか……さ?ほら忙しいじゃない?……」



苦しい言い訳をどんどん呟くお母さんを見て苛立ちがふつふつと込み上げてくる感じがした。