「もー。葵遅いってば。」




「ごめんってー。」





「生徒会長なんだから。遅刻したら先生に怒られるって!」



凪紗は呆れ顔で
あたしを見る



あたしは去年の10月から
任期1年の生徒会長に抜擢された。



まさかあたしっ!?



って最初は思ったけど
みんなの支えでなんとか乗り越えてきた。



って言っても出番は
卒業式と入学式に
スポーツ大会や文化祭の挨拶くらいだけど…





「…うぅ。はぃ…」





凪紗には頭が上がりません





もう社会人
女優さんやけん。
考えもしっかりしてる





そんな凪紗は
あたしの憧れでもあって…



「ほら。受付スタンバイしないと!10分しかないっ!」





凪紗はあたしの腕を掴むと走り出した。




「もー。早いってばー!!」



あたしはいつも
ついて行くので精一杯…



そんなことはお構いなしで
エントランスに繋がる階段を駆け下りる







止まれー!!凪紗ー!!
足がついて行けてないから!