学校が終わり、私と織子ちゃんは作ったものを交換しあった。


「私も結局、クッキーにしたんだ。ケーキは今度、雪と一緒に作りたいから」

織子ちゃんが渡してきたのは、私が作ったのより少し大きいチョコチップクッキーだった。

「わあ、美味しそう」
「食べてみて。うまくできてるかなあ」

少し心配そうに笑う織子ちゃんが可愛い。美味しいに決まってる。織子ちゃんが作ったんだから。

「すごく美味しいよ!ありがとう織子ちゃん!」

本当においしかった。
可愛くて優しくて料理もできる織子ちゃんは私から見れば完璧な人だ。

「雪のクッキーもおいしいよ。料理下手なんてこと、ないじゃん…でも、何かチョコとは違う味がする。もしかして何か入れた?」

気がついてくれた!
私は何だか胸がいっぱいになって、夢中で答えた。
「うん!私の血だよ!気づいてくれて嬉しい!」


「血…?なんで?」
「血を織子ちゃんと共有したかったの。私たち血液型一緒だから、大丈夫だよ」


織子ちゃんは一瞬びっくりしたようで、何も言わなかった。
でもすぐにあの柔らかな笑顔で、

「そっか」

と私の心を癒してくれた。
「でも自分を傷つけるのはやめてね」
「うん!」


幸せな気持ちでいっぱいだった。好きな人と一緒にいることは、凄く気持ちいい。
好きな人と何かを共有するのも。

それは血でも時間でも、何でも。