「…離して」

「雪…わかってくれた?ごめん…」

「織子ちゃんはきっと悩んでたんだね。周りから疎まれることに。みんなが理解してくれないことに」

「雪…?」


「大丈夫。私、とっておきの場所知ってるから。そこではね、誰も私達の邪魔をしないんだよ」

「なに…?雪、違う。私はそうじゃなくて…」


「一緒に死のう。そしたら二人ともずっと幸せでいられる」


「え…?」




二人が幸せになるにはそれしない。


私はなにも無い世界を手探りで走り始める。