雪の白い手首に包帯が巻かれていた。 切跡から出たであろう血液は私の体に入った。 血液を共有すること、それも愛だという。 心が揺れたが、受け入れた。 「でも、自分を傷つけるのはやめてね」 この言葉は多分、本心。 雪は笑ってくれた。 雪は自分だけじゃなく、他人も傷つけ始めた。 私に関わってしまった市山さんを。 私に告白してくれたあの女の子を。 私は雪を愛してると思い込むことに、疲れはじめた。