早川さんは私とは正反対に誰かとお話しするのが大好きなようで、お店に来てくれると必ず、私と何十分も話をしていきます。




さっきも、片付けをしようとしているところで早川さんに声をかけられて、正直なところ、少し困ってしまいました。





そこに、先生が声をかけてくれたので、早川さんには申し訳ありませんが、思わずほっとしてしまいました。





レジ締めをして伝票を整理し、全てのテーブルをふきんで拭いて、床を掃除し、テーブルの上のシュガーポットに角砂糖を補充しました。




最後に、洗い上がった食器類を拭いて、棚におさめて、ホールの仕事は終わりです。





私は要領が悪く、仕事が遅いので、全てが終わったときには10時半を回っていました。






「お疲れ様です、失礼します」





「おつかれ春川さん。明日もよろしくね」





「はい。ありがとうございました」






私は西村さんに頭を下げ、勝手口から外へ出ました。