自由散策をしている生徒たちの見回りをしていたら、祇園の通りのど真ん中で立ち竦む、うちの高校の制服が目に入って。





何してるんだろう、と目を凝らしてみたら、小さな身体をいつも以上に小さく縮めて、人波に揉まれている春川で。





不安そうな表情を浮かべているのが、遠目にも明らかだった。





その華奢な姿があまりにも弱々しくて、俺はもう、居ても立ってもいられなかった。





それで、何も考えずに一目散に春川のもとに駆け寄ったのだ。






肩に手を載せ、声をかけた瞬間、振り向いた春川のほっと安堵したような顔を見て、俺の胸は言いようもないくらい高鳴った。





春川を見つけて、春川に声をかけて、本当に良かった。




強くそう思った。