課長、ちゃんとしてください。

険悪すぎる空気に気づいているのかいないのか、課長はへらへらと伊藤さんの手元を覗き込む。






「ふむふむ〜?

今度の総会の資料ですかぁ〜?

これがどうしました〜?」






「急遽、修正と差し替えが必要になった。

お前のところでやってくれ」







伊藤さんがそう言った瞬間、みんなの顔色が一気に変わった。




課長も、笑顔のまま、「ん〜?」と低く唸る。






「………おかしいですね〜?

それはうちの仕事の管轄ではないはずですけどー?」





「そんなことは分かっている。

だが、ここの奴らは皆いつも暇そうにしているじゃないか。

ろくに残業もしないでさっさと定時に上がって。


だから俺は、仕事を平等に振ってやろうと思ったんだよ」






伊藤さんはそう言って、あたしたちをぐるりと見渡した。