課長、ちゃんとしてください。

いつかのようにすれ違う人々にもれなく声をかけられつつ、課長はあたしを引きずりながら社食へ向かった。






「あべちゃん何にする〜?」





「はぁ……Mランチですかね」





「えっ、意外だなぁ、あべちゃんってMなの〜?

てっきりSかと思ってた〜」







課長がなぜだかにやにや笑いながら意味不明な発言をする。







「………なに言ってるんですか? 課長。

Sランチなんてありませんけど」







あたしが至極まっとうな指摘をしたというのに、課長はなぜか一瞬きょとんとした顔になり、直後にぶはっと噴き出した。







「んも〜っ、あべちゃんったら〜。


かぁわいいな〜、ほんと、ピュアだねピュア〜。


オジサンきゅんとしちゃったよ〜」