課長、ちゃんとしてください。

「………無理ですよ。

課長だって、あたしの暗い性格を考えたら、分かるでしょう?


あたしは一年目の忘年会ときだって、誰にも一発芸をやれ、なんて言われなかったんですよ。

みんな、あたしにそんなことができるわけないって、分かってるんです」







あたしが必死に言い募るのに、課長は真に受けるふうもなく、にこにこしながら聞いている。







「え〜? そぉかな〜?

あべちゃんならー、特技はいくらでもあると思うんだけどな〜」







「ありません、そんなの」






「きっとあるって〜」






「ありませんって」






「あるよ〜ダイジョブ、ダイジョブ〜」






課長はまた、不可思議なアクセントで繰り返した。