課長、ちゃんとしてください。

「そんな………どうするんですか。

経理に関わることだから、監査では必ずチェックされますよね」





「そーなんだよね………だからさ、お願いなんだけど」






ぱんっ、と派手な音を立てて、川瀬さんが顔の前で両手を合わせる。




そして、頭を下げて。






「―――阿部さん、報告書、作り直してくんない!?」







――――なんだ、それ。



都合が良すぎる。





自分がデータを消してしまったのに、その尻ぬぐいをあたしにさせるなんて。






でも、あたしにも落ち度はあった。



いくら川瀬さん主体の仕事だったとはいえ、あたしもバックアップをとっておけばよかったのだ。





いつも、二重三重の用心を心がけているのに、手抜かりだった。





そう考えて、あたしは力なく頷く。







「…………分かりました。


至急、作り直します」