課長、ちゃんとしてください。

「………な、にを、おっしゃるんですか。


か、わいい、お耳とか……気味が悪いです、鳥肌が立ちます、あなたはセクハラオヤジですか、今すぐに撤回してください」







あたしは低く鋭い声で、一気にそう言った。




課長はあははと明るく笑い、「めんご、めんご~」とあたしの肩を叩いた。






課長は、「ごめん」のことを「めんご」と言う習性がある。




どうやら一昔前に流行ったフレーズらしいが、わざわざ逆さまにして言うなんて、全く意味が分からない。






あたしは仏頂面のまま、「早く本題に入ってください」と告げた。








「は~い、じゃあ、お耳を近づけて~」






「…………」







言われた通りに顔を寄せると。