課長、ちゃんとしてください。

課長はまた、困ったように髪をくしゃくしゃと掻きまわし、それから両手で顔を覆った。






「課長………」





「………はぁい」





「しつこいようですが、もう少し言わせてください」






あたしは手鏡を胸に抱き、課長を真っ直ぐに見つめた。






「あたしは、課長を、独り占めしたいんです。


あとから分かったことですけど。

課長に微笑みかけられたり、頭を撫でられたり、優しい言葉をもらったりするたびに、あたしはどんどん、課長のことを好きになっていったんです」






課長が指の間からあたしを覗き見る。






「あたし以外の女の子に、『可愛い』なんて言わないでください。


………と言いたくなるくらいに、あたしは課長のことを独り占めしたいと思っています」