課長、ちゃんとしてください。

「え………ほっとした、ですか?」






あたしら意味が分からなくて首を傾げたけど、周りにいた人たちも「俺も!」「確かにほっとした」と頷いている。






「なんか、阿部さんも普通の人なんだなって」





「そうそう、普通に話しかけていいんだなって思って」





「はぁ………そうですか」






我ながら間抜けな返事だった。






「阿部さんって、すごくちゃんとしてて真面目だからさ、なんか仕事以外のこととかで話しかけちゃだめかな、なんて思ってたんだよね」






………少し前までは、



課長と出会う前までは、



あたしは確かにそう思っていた。





業務時間中に無駄話をするなんて、給料泥棒みたいなもんだって。