課長、ちゃんとしてください。








夕食の時間が近づいてきたので、課長命令に従って、みんな旅館の浴衣に着替えた。




夕食会場の大広間に行き、襖を開くと、奥のほうに座っていた課長が顔を上げた。




あたしたちの姿を見たとたん、その顔がぱっと輝く。






「わ〜ぉ、浴衣だあ。


やっぱいいね〜、みんな色っぽいね〜」






手をぱちぱちと叩きながら嬉しげに言う課長に、野崎さんと吉田さんが近寄っていった。



二人は最近、課長に喋りかけにいくことがやけに多い気がする。






「課長も浴衣すてきですね」





「めっちゃ似合ってます、かっこいい!」






二人が口々に言うと、課長はにへらと笑った。