課長、ちゃんとしてください。








「みんなそろったかな~?


お友達がみんないるか、確かめてね~」






またもや遠足引率の小学校教師のような口ぶりで話す課長を、通りすがりの人々が苦笑しながら見ている。






「あっ、うるさくしちゃってすみませ~ん。


会社の慰安旅行なんですよ~」






課長が頭を掻きながら言うと、近くにいた妙齢の女性の集団が顔を見合わせて笑った。






「いいわねぇ、慰安旅行?」






一人の女性が話しかけてきたので、課長はいつも通り愛想よく対応している。






「は~い、今から温泉なんですよ~」




「あら、楽しみねぇ」




「うふふ、ラブの予感ですよね~」





おどけた調子で課長がいうと、おばさん達がきゃっきゃと笑った。