課長、ちゃんとしてください。

…………なんで、追いかけてくるんだろう。




こんなに何度も身勝手をするあたしを、課長はどうして見捨てもせずに追いかけてきてくれるんだろう。





なんで課長は、怒らないんだろう。





なぜだか泣きそうになりながら、あたしは課長を見上げた。





課長はにっこりと笑い、あたしの右手をとった。






「あべちゃん。はい、これ~」






課長があたしの掌に載せてくれたのは、白い紙袋の小さな包みだった。






「ほらほら、開けて~」





「………あ、はい」






中から出てきたのは、紫のちりめんの手鏡だった。