課長、ちゃんとしてください。

「え………っ」






なんて答えればいいか分からない。



口ごもって俯くと、課長はわざとらしく涙を拭う仕草をした。






「さみしいな~。あべちゃんと距離が縮まったって思ったのは~、俺だけだったんだね~………」






あたしは慌てて、「そういうわけでは」と否定する。






「あの、あたしも、そう思います………。

いつもより、たくさん話せてるし………」






せっかく勇気を出してそう言ったのに、なぜか課長はぽかんと口を開いてあたしを見上げていた。






「………あの、課長?」





「………ふぇっ? あ、いや、ごめんごめん………」






課長はなぜか謝って、手鏡に視線を戻した。