課長、ちゃんとしてください。

課長に追い立てられるようにして、みんな次々と帰り支度を始めた。




課長は上機嫌で、「明日は明日の風が吹く〜♪」と謎の鼻歌を歌っている。






「あべちゃんも早く帰りなよ〜。

遅くなったら変なオジサンに連れてかれちゃうぞーう」





「………そんな、子どもじゃないんですから……。

切りがいいところまで終わらせたら、帰らせてもらいます」





「うんうん、帰りな〜」






とりあえず今日の分を終わらせて、明日の朝一で仕上げたい仕事の準備だけしてしまうと、あたしは課長のデスクを見た。





課長のデスクには、差し替え分の資料が山積みになっている。





またか、とあたしは思った。




課長はまた、一人で仕事を抱え込んでいるのだ。




皆を早く帰らせるために。