課長、ちゃんとしてください。

「ちょっと待ってください、伊藤さん」






聞き慣れない、低くて鋭い声に、みんなが一斉に顔を上げた。




声の聞こえてきたほうに目を向けると。



そこには、いつもの笑みが消えた、厳しい表情の課長が立っていた。






「―――何か問題があるか? 五十嵐」





「ええ、大変あります」








(ええぇーーーーーっ!?)






というみんなの心の声が聞こえた気がした。






だって………あの五十嵐課長が。




年中ふらふらへらへらしている課長が。




いつもの間延びした口調をやめて、こんなにきつい顔をして、他人を鋭く見つめるなんて。






あたしは驚きを隠せずに課長を凝視した。