嘘つき少女

あ、あそこに椅子がある。座ろ…。

ドンッ

『あ、すみませ…(ふらっ』

どうやら他の観光客とぶつかってしまたようだ。
その衝撃で倒れそう。どんだけ体力ないのよ…。

櫻井「おっと、大丈夫か?」

状況を把握するのに1秒かかった。あー、どうりで倒れないわけですか。

櫻井が倒れそうになった私を見事にキャッチしてくれたのだ。あんま嬉しくないけど。

『ん、大丈夫。あっちで休んでくるよ』

櫻井「それは難しいと思うぞ。西園たちが先行こうとしてる」

はぁ?また?あいつらどんだけ自己中なのよ。こっちのことも考えてよ。私超かわいそう。

櫻井の言ったとおり涼華たちは中に入ろうとしている。君たちの体と神経どうなってんの。

『あー、いい。少し休んでから行く』

普段だったらこのまま涼華たちについていくけど、さすがに今回ばかりは無理。
椅子に座らせてもらおう。よっこらしょっと。

櫻井「そ。…」

あれ?どうしたの?
そう言おうと櫻井のほうを向いたとき、あいつは隣に座っていた。しかも、少し照れくさそうに。素直じゃないなぁ…。私が言えることじゃないけどね。

『…』

櫻井「…」

本日2度目の沈黙。
けど、これはバスのときのような沈黙ではなく、このままでもいいと思えるようなもの。

ま、もう少しこのままでいいかな。…なーんてね。