聖なる夜に、幸せを。







「聖さんと奈子さんって言ったら、聖なる夜に魔力が高いって有名な夜浪家の中で1位2位を争うほどの、強い魔力の持ち主だぞ」



えぇ!?

そんな2人から生まれた私とお姉ちゃんなのに、お姉ちゃんは魔力がなく、私は弱い。

それってどうなの?



「夜浪家の場合、必ずしも子どもに魔力が行くかはわからないんだ。
夜浪家は人数が少ないからな、詳しくわかっていない。
聖さんと奈子さんだって、魔力がない両親から生まれたそうだ」



そうなんだって頷いても、実感がない。

だってお父さんもお母さんも、家では魔法の話なんてしないし、魔法を使っている所も見たことがない。

…ただお母さんは「小さい頃超能力者だったのよ」なんて言っていたけど。

「嘘でしょ」って聞き流していた。

…もしかして、その超能力が魔法?




「聖奈が気が付かないのも無理はないよ。
夜浪家は特殊で、聖なる夜にしか魔力が使えないんだから。
普段は運が良ければ、物が浮き上がるぐらいにしか働かない」



クリスマスは毎回、お父さんとお母さん。旅行に行くからなぁ。

見たことがないって言うか、見られないって言い方の方が正しいかも。




土木沢地区へ入った時。

…再びガクッとソリが傾いた。



「聖奈!」

「う、うんっ」



今度は落ちることなく、落ち着いて落ちないよう念じる。




魔法のかけ方なんて知らないしっ!