「じゃあ、夏ちゃんを乗せることは?」
「このソリは2人用だからな…」
「じゃあ、トナイさんたちと会わせられないの?」
「………」
クロスは目を伏せた。
「…無理ですか?」
夏ちゃんが不安そうな瞳を向ける。
夏ちゃんは、人見知りで誰かに話しかけることなど出来なかった私に話しかけてくれた、高校入学して最初の友達。
いつも助けてもらっているから…助けてあげたい。
「クロス、私からもお願い。
夏ちゃんに会わせてあげよう?」
「………」
「今日は奇跡が起こっても良い日だよ?」
クロスは夏ちゃんにバレない小さな溜息を吐いた。
「兄さんたちの所へ行こう。
蜂ヶ谷さんは連れて行けないけど。
兄さんたちを連れて来ればいい」
「良かった!ありがとうクロス!!」
私は夏ちゃんを見た。
「夏ちゃん。
今から私たちは、夏ちゃんが出会ったサンタクロースを連れてきます。
会えるかどうかは分かりませんが、今日は聖なる夜。
必ず、奇跡を起こして見せます!!」
「ありがとうございます!」
夏ちゃんの笑顔を見た私たちは、再び空を舞う。
向かうのは…隣の市!


