「待って!」
ベランダに出てきた夏ちゃんが、私たちを引き止める。
「前にあたしが出会ったサンタクロースもあなたたちなの?」
前に夏ちゃんが出会ったサンタクロース…トナイさんとお姉ちゃんだ。
「いえ、俺たちではありません。
仲間…ではありますがね」
「その人たちに会えないかな!?」
夏ちゃん…?
「あたし、その人たちに救われたの!
ただ、お礼も言えずに別れちゃって…。
お礼が言いたいの」
私はこっそりとクロスに話しかける。
「トナイさんたちに会えないかな?」
「…普通、バレたら会ってはいけない掟があるんだ。
その上兄さんたちは隣の市のプレゼント配り担当だ。
今仕事が終わっているか…わからない」
私たちはまだ見習いの身だから、何年も続けているトナイさんたちとは配る範囲が違うのだ。
私たちは土木沢地区だけだけど、トナイさんたちは市全体。
地区と市じゃ、大きな違いがある。
「…クロス、今からトナイさんたちの所行けない?」
「…行けないこともないが、トナカイの体力が持つかわからない。
兄さんたちが使うトナカイは、俺らのトナカイとは違い、長距離用だからな」
トナカイに長距離用や短距離用があるんだ…。
もっとクロスに聞いて勉強しないと。


